北炭幌内炭鉱《2021.8/12訪問》
気づいたらオリンピックが終わっていた。
・幌内(ほろない)変電所
山道の途中に突然不釣り合いなレンガ建築が見える。俗に言う“廃墟”だが、山奥だからか人為的な破壊はほとんど見受けられない。
古風なレンガ建築に現代的な送電塔というアンバランスさが無人の山奥に尚更際立つ。
・幌内神社跡
変電所の横にある苔むした階段を登った先には本殿が、ない。
取り残された様な鳥居と狛犬、潰れた手水舎が物哀しい。
・道
幌内炭鉱地区の一部は炭鉱景観公園として整備されている。スニーカーでも歩きやすいが、画像の様な虎ロープの奥が小川だったりするのでよそ見歩きはしないほうが良さそうだ。
・安全灯室
音羽坑の坑口手前にあるレンガ作りの倉庫の様なもの。坑内で使うランプを手入れや保管をしていた様だが倒壊していて建物の妻面付近しか残っていない。
・音羽坑坑口
北海道近代炭鉱の原点とも言える場所がサラッと現れる。案内看板が無ければ茂みの中の小さなトンネルだ。
坑口からは水が流れ出ている。
・常盤坑坑口
幌内炭鉱が平成元年に閉山するまで用いられた斜坑。ベルトコンベアにより選炭場に石炭を送る“本卸(ほんおろし)”と人員や資材の運搬をしていた“副卸(ふくおろし)”の2本の抗口が並んでいる。
情報収集の為に見ていたブログでは「硫黄臭がする」と書いてあったが、今回は爽やかな森の匂いだった。
・坑口神社
常盤坑の本卸、副卸坑の間に小さな祠が残されている。
・ズリ山と輸車路
看板の向こうにコンクリート造りの遺構があるのが確認出来たが、偉く大きなハチが居たので退散した。痛いのは勘弁してほしい。
・ベルト巻き上げ室
常盤坑坑口付近にあったコンクリート造りの巨大遺構。坑内から続くベントコンベアを巻き上げる設備があったと思われるが、建物の骨格しか残っていない。
この近辺に転がっていたゴムマット様の瓦礫はもしかしたらベルトコンベアの残骸かもしれない。
・道端の電信柱
管理札の様なものには“☆金岐六”と“昭”の文字が読み取れる。☆マークは北炭の社章の様にもみえる。
・ホッパー跡
選炭場で振り分けられた石炭を鉄道貨車に積み込むための設備だが、三笠市側は藪に生まれて見学できなかった。(ハチもいた)
・何かありそうな場所
ホッパー跡の横にあった謎の空間。
轍と散策路の謎の線がどことなく踏切の様に見えたがこんなところに線路でもあったのだろうか?
・選炭場跡
採掘された石炭を選別する、農業でいうところの選果場にあたる作業を行う場所だが。茂っていて全貌がよくわからない。
・三笠幌内川にかかるガーター橋
三笠鉄道記念館と幌内炭鉱景観公園の間を流れる川にかかる小さなガーター橋。まだ線路が残っている。
・炭鉱景観公園新旧案内板
《訪問初見》
出発が遅くなり、日がかげりつつある中での探索となったが整備された炭鉱遺構は案内板も多く、見て回りやすかった。
三笠市中心街から道道1129号線を北東に進むにつれ道は細く、荒れた砂利道となるためセダンやコンパクトカーでは少し分が悪いのでSUVやRV車で行けばよかった。
《場所》
〒068-2100 北海道三笠市幌内本沢町