中国人民解放軍:多地形迷彩作訓服?
皆さんはじめまして!自己紹介は後にして、今回はとても興味深いものを購入したので紹介したいと思います。
中国人民解放軍:多地形迷彩作訓服
中国人民解放軍が2015年の軍事パレードでお披露目し、その筋のマニアをザワつかせたという、いわゆる『中国版マルチカム』の戦闘服です。しかし、人民解放軍内ではパレード以降未だに大きく配備された気配はなく、官給品が市場に横流しされているという話もありません。そのような点も踏まえてここでは従来型の『07式林地』の戦闘服と大雑把なディテールを比較し、以下の点について考察してみたいと思います。
- 制作された背景
- デザインの相違
1.制作された背景
中国人民解放軍では2007年に採用した07式迷彩シリーズを皮切りに、陸軍・海軍・空軍・第二砲兵・武装警察の4軍と1組織においての米軍のUCPやMARPAT迷彩を意識させる迷彩の戦闘服を導入し装備のマイナーチェンジを行いました。(武装警察に関しては4軍に先駆けて、半ピクセル模様の戦闘服を採用していた。)
それに伴い、陸軍は夏冬で灰色系迷彩と茶色系迷彩。海軍は青系。空軍は海軍より灰色が多い青系。と言った各軍・組織の特性応じて迷彩のパターンを作成し、旧式の戦闘服を一気に置き換えて行きました。
そんな07式迷彩の誕生から数年後、米陸軍がマルチカム迷彩を採用し配備が進んだ頃の2015年、北京で行われた軍事パレードで中国版マルチカムが登場しました。
実はこれ以前からも訓練写真等でマルチカムの様な迷彩戦闘服を着用した軍人が散見され、そこそこ話題になったりしていましたが、国家行事である軍事パレードでその姿をはっきりと見せつけられたのはウワサを一気に裏付けるのには容易な事でした。
従来型の07式迷彩シリーズは、装備近代化の一環として導入されましたが、迷彩効果には疑問符のつくものもあり、軍の近代化を宣伝するプロパガンダ的要素が感じられるものでした。実際に国内でもそう感じる人は居たそうです。
軍事強国としてより一層の高みを目指す中国がアメリカやその他の国がマルチカムやマルチカムの様な迷彩を採用していく中、その迷彩効果と国内外へのプロパガンダ効果を鑑みれば『多地形迷彩』を前面に出してくるのは考えてみれば妥当な結果だったと言えます。
2.デザインの相違
上【07式林地迷彩作訓服上衣】
下【多地形迷彩作訓服上衣】
基本デザインは07式林地迷彩作訓服を踏襲しつつも、左胸および左肩へのベルクロテープ追加と、右腕へのポケットの増設など、若干の変化が見られます。また、作訓服自体の生地も化学繊維(ナイロン?)主体でリップストップの入った生地へ変更されています。
上【07式林地迷彩作訓服下衣】
下【多地形迷彩作訓服下衣】
下位について変更されている箇所は2箇所あり、両足下部に小ポケットの増設・ウエストのボタンがベルクロテープに置き換えられているのが見受けられました。また、下衣に関してもリップストップが入っています。
まとめ
今回縁あって入手した作訓服を個人的視点で比較してみました。
私はこの作訓服に限っては、精巧にできたレプリカではないかと考えていますが、そこは未だ噂が絶えない作訓服。もしかしたら軍の迷彩服トライアルに参加したものの余剰品かもしれません…
それでは長々と駄文にお付き合いいただきありがとうございました!皆様に良いミリタリーライフのあらんことを!